パイレーツ・オブ・カリビアン

Pirates of the Caribbean (Original Soundtrack)

Pirates of the Caribbean: Dead Man's Chest

パイレーツ・オブ・カリビアンの続編公開がそこまで迫っていますね。

こう始めると、僕がパイレーツ・オブ・カリビアン好きかと思うかもしれないけど、全くの逆でなんでこの映画がここまでヒットしたのかよくわからないかんじだ。海賊っていうなんともアドヴェンチャラスなものを扱っているのに、たいしてワクワクしない展開だし、何より監督がクソなので船の争いのシーンとか見ても全然ドキドキしない。マイケル・ベイが撮ってたらもっとぐちゃぐちゃになっててよかったと思うんだけど。こういうバカ映画というか何も内容がない映画には彼みたいな監督が最適なんじゃないかと思ったり。

そして最悪なのが音楽。なんか知らないけど画面が盛り上がってないのにひたすらけたたましくなる音楽はただただ浮いていて、正直画面をさらに空虚にしているように感じた。映画音楽は無限の広がりを感じさせなければならないのにも関わらず、ね。


と批判をしつつもパイレーツ・オブ・カリビアンの音楽は大好きでいまだにアルバムを取って聞いていたりする。何度か書いた気がするけど、デキがいいのと好き嫌いは別の話ですよ。

世間的にはというか、クレジット的に作曲者はクラウス・バデルトということになってるんだけど、これ、どっからどう聞いてもハンス・ジマーの曲だろ。まずなによりバデルトのオーケストレーションであんなに厚い音が出ないということは彼のタイムマシンとポセイドンを聞けばわかるはずだ。特にアルバム前半の曲は間違いなくジマーが作曲していると言える。(後半あたりでバデルトっぽい曲が出てくるけど。)

当時、タワーレコードのポップに作曲:ハンス・ジマーと書いてあったときにはなかなかわかってる方がタワレコで店員をやっているのだなぁなんて思ってしまった。

ちなみに、一作目でのジマーのクレジットはOver Produceというよくわからない役職で、事情を知ってる映画音楽好き達からは笑いものにされたとさ。そういえば僕も苦笑いしたものだった。

映画同様、サウンドトラックも異様に売れて、どれくらい売れたかというと、調子に乗ったAVEXがブーム過ぎ去ってから完全版という、別にトラック増えてねーけど映画のシーンがを収めたポストカード付けて再販するだけみたいなただ値段あげてバカを騙そう的なことをやったくらいだった。(たぶん完全版は在庫があまりまくってるはずだ。)

内容はと言えば、ジマーの正統(と言うと異論がたぶんあるけど)の系統をたどるもので、バック・ドラフトから始まって、クリムゾンタイド、ザ・ロックの流れを完全に汲むもの。

僕はそのころのジマーが大好きでピースメーカーとかほんと何回聞いたかわからないくらいに聞いた気がする。(僕の大好きな映画もだいたいそれくらいの時代だ。)もちろんジマーの映画音楽界における功罪については議論されるべきだとは思うんだけど、まぁ単純に好きっていうかんじだ。

久々にパイレーツ・オブ・カリビアンで復活してくれたジマー節は当時のまんまで喜ぶ一方、この人はほんと進化してないのね、とちょっと残念だった。(その年のラスト・サムライはすばらしかったけど。)



そして2。ついに今回ジマーは単独クレジットで登板。おおおお!と僕の期待はあがるばかりなのだけど、よく考えてみたら中身としては変わってないので、1作目とそんな変わらないもんが出てくるんだろうなと期待半分・不安半分で見守ることに。

発売も迫ってきた最近、海外のサイトで試聴が可能になってたので聞いてみた。ココ→http://www.soundtrack.net/features/article/?id=198#


すげえ!!!進化してるよ!!!!!!


・・・とそんなことはあるわけもなく、いつも通りのガチャガチャスコアだ。ほんと変わらんなこいつは。ジマーのスタイルはピース・メーカーで完成してしまったんじゃないかって僕は思ってるんだけど、これ聞いて、この仮説もあながち間違っていないのではないかと思った。ただ、1曲目に関しては前作のモチーフがすばらしくリアレンジされてて、さすがはハリウッドの売れっ子だけあるなと思った。やっぱり、オーケストレーションはバデルトなんかよりも全然よい。(ちょっと聞いてて彼の昔の作品であるMUPPET TREASURE ISLANDを思い出した。)


といろいろ言いつつも買っちゃうんだろうな。まぁ試聴は30秒程度だからこれ以外の部分にすんげえのがあることに期待。7月4日発売。楽しみ。