M:i:IIIを見る。

Mission Impossible III

あまりに楽しみすぎて先々行で見ちゃったよM:i:III

前作の公開は・・・6年前かー。高1だよ高1。つい、一緒に見に行った人とか思い出してほんとに懐かしく、そしてやっぱりあのころが一番楽しかったなんてまた後ろ向きなことを思っちゃった。

なんで楽しみかっていうとつまりは僕の大好きなエイリアスの監督のJ・Jエイブラムスが監督をやってるからで、エイリアスの拡大版を見られると思うと僕はいてもたってもいられなかった。

で、まぁ感想はというと良くも悪くもエイリアスで、むしろエイリアスよ劣化してるんじゃないかってかんじがしたくらいなデキだった。アメリカでの興行収入が悪かったのもしょうがないかなぁって思うかんじ。エイブラムス好きな僕が言うんだからそうじゃない人はもっとがっかりするかもしんない。

なんていうか、最近の映画の特徴で、何回か書いた気はするんだけど、一言で言うと「煮え切らない」んだな。

ポセイドンもそうだし、インサイド・マンもそう。全てが煮え切らないままあともう一回くらいハラハラドキドキ楽しませてよ!!ってところで終わってしまう。なんでだろう。

これも何度か書いたとおりだけど、僕は90年代の映画にとっても影響を受けていて、90年代の映画と言えばやりすぎなかんじで、煮え切らないのではなくむしろ煮立っちゃったかんじな映画なんだけど、やっぱり僕の理想といえばそれなわけで、それに比べちゃうと最近の映画は物足りなさ過ぎる。

で、なんでこの映画に期待していたかっていうとJ・Jエイブラムスは明らかに僕の好きな90年代の映画に影響を受けているから。それは彼の映像だとかを見ればすぐわかる、つまり、あのころの映画をまたやってくれるんじゃないかっていう期待を抱いていたわけなんだ、僕は。

ところがフタを開けてみると、他の映画と同じような煮え切らなさ。アメリカでヒットしなかったことについて、ジョージ・ルーカスはこういう映画をもはや観客が求めていないからだ、なんてことを言っていたけど、僕の意見とは微妙に違って、こういう「煮え切らない」アクション、なんていうかちょっとかっこつけて薄味にしてみましたちっくなアクション映画はもはや観客が求めていないんじゃないかって思う。まぁカンでしかないけど、一度90年代っぽいやりすぎなアクション映画を作ってみてほしい。それでもヒットしなかったらルーカスが正しいってことだろうと思う。

・・・と批判をしつつも悪かったわけじゃない。話を進めていく上での情報の提示のタイミングなんてのはエイリアスばりに巧くて、感心させられるシーンも少なくなかった。特にオープニングから序盤の救出作戦へのつなぎは情報の選択と提示がスマートですばらしく、構成は巧いなぁーと思わされた瞬間だった。(全体として見るとそこまでいい構成ではないけど。)

燃えるシーンも少なくなくて、予告でも流れてる橋の上のシーンとかオープニングとかゾクゾクするシーンもいくつかはあったのでそこらへんは見ながら安心した。

まぁ僕的に最悪だったM:I-2よりも全然よくてとりあえず満足はした。

音楽はエイリアスでコンビ組んでたマイケル・ジアッチーノで、彼の作品であるThe Incredibles路線でくるのは間違いないとは思ってたら、やはりあの編成がでかいビッグバンド路線できた。やはりスパイ大作戦と言えば、ビッグバンド的な編成かつ、そしてあのボンゴの音だ。オープニングテーマが流れるとことか演出もよくて震えるくらいにかっこよかった。やっぱりスパイ大作戦にはデジなロックのサウンドなんかじゃなくってこういうサウンドでしょ。(まったくハンス・ジマーはわかってない。)

ただ、一部シーンではスコアリングが巧く機能していなくて、シーンを邪魔してるなぁなんて思ったシーンもあった。それに、M:i:IIIのテーマが全然見えないし、なんらかのモチーフもないので、音楽に統一感が全く感じられず、とりあえず鳴ってるだけっていう劇伴としてはよろしくない状況に陥っていた。ジャブロンスキーのアイランドほどではないけど、がっかりさせられたスコアというかんじだ。あと、音のバランスがヘタなせいで音楽が効果音にかき消されたシーンがいくつもあった。もうちっとそこらへん考えろよ。

というかんじで、とりあえずよくも悪くも普通な作品のM:i:IIIでした。

そういや今年の僕的な期待映画、全部公開されちゃったよ・・・。これから何を楽しみに生きていこう。とりあえずインディ・ジョーンズ4かな。(いつになるやら。)


M:i:III

映画:★★★☆☆
音楽:★★☆☆☆
90年代っぽさ:★★★☆☆
煮え切らなさ:★★★★☆
Over all:★★★☆☆