『AFRIKA』を聴く。

書くのが久々すぎて、その事実をスルーして始めようとするも、
昔の書き方スタイル忘れたので、しょうがなくこうやって触れてます。
皆様お元気でしょうか。僕は元気です。

で、今回はPS3用ゲームのsoundtrack『AFRIKA』。
スペルミスじゃないです。
このCD、全くノーマークだったのですが、僕のよくいくサイトで話題になっていたので、とりあえず購入。
なんか、とりあえず、とか言って3000円ちょいの音楽をちょろっと買えてしまうあたり、
あぁ僕は今社会人なのだなぁと感慨にふけてしまうのです。
そうそう、僕は社会人になってるのです、今。
聴いてみたらいいのなんのって、良すぎてこんな眠っているブログを無理して起こしてしまうくらい、良かったのです。

日本人に、こんな技術を持った作曲家がいたこと自体、僕には驚き。
CDから聞こえてくる音は、ハリウッドそのもので、だいたいオーケストレーションを聴けば「あぁ日本臭い」とか感じてしまうのですが、
これに関しては全くそういう感触がない。むしろ最近のハリウッドより巧いんじゃなかろうか。
日本臭い、てのはなかなか言語化しにくいのだけど、音が立体的に音が交わらないのですよ、日本人が書くオーケストラというのは。
服部隆之なんかもがんばってはいるんだけど、どうもね。
華麗なる一族はとてもよかったけど、しかしオケの使い方はイマイチでとても残念に思ったのを覚えています。
久石なんか言うまでもなく。久石のオーケストレーションは個人的に大嫌いなので聴いてられない。
あのなよっとしたかんじというか、中身がすかすかなピーマンのようなオケ。

一方でハリウッドの作曲家連中もオーケストレーションが巧いかというとですね、最近これがまた微妙で。
この話になると触れざるを得ないのがハンス・ジマー一家なんだけど、
ジマーがオケに持ち込んだ文法というのは、革命的だったという点で評価されるべきではあるんだが、
やはり、業界全体がそれ一辺倒になってしまうと聴いてる方は面白くない。
生オケのダイナミズムであったり、繊細さをジマーの文法から感じられるかといわれればそういうもんでもなかった。
気づけばゴールドスミスやジョン・ウィリアムズのような、
ダイナミックでありながら繊細なオケを聴ける機会は本当に少なくなってしまっていたのです。

そこへきてこのAFRIKA。もう教科書のようなきらびやかな、ダイナミックそして繊細なオーケストレーション
そう、そうだよ。これぞ王道、これぞオケのサウンドだよ!!
聴いていてこっちが気持ちよくなるくらい、なんという快感なんだこれは。
ハリウッドからは長らく聞こえなかった、まっすぐで正直なメロディ。
僕は「ザ・王道」が大好きなので、このCDに出会えたことが嬉しくてしょうがないのです。
それだけじゃなくこの作曲家、自分で作曲、オーケストレーション、指揮までこなすというのだから驚き。
いや、昔はそれが普通だったんだけど、ポップスから転向したみたいなオケをなめてる輩が多くて、
最近の連中はオーケストレーションさえままならんのですよ。
だからこういう作曲家はとても貴重だし、何よりそれが日本人であることが僕はとても凄いことだと思うし、心の底から期待をしています。
まだこの作曲家である鋒山亘は若いようなので、これからの活躍が楽しみ。

ただ、ですな、教科書のように、と書いた通り、彼の強烈なオリジナリティが全く見えないのです。
というか、作曲家さん、あなたジョン・ウィリアムズのファンですよね?おそらく。
80〜90年代のウィリアムズの音がします。特にフルートとトランペットの使い方。
ただもうウィリアムズ本人がいい曲書けなくなっちゃったので、逆にウィリアムズの文法で新しい音楽が聴けるのは貴重かもしれません。
期待したいからこそ、次回作は絶対個性を見たい。本気で期待してます。あなたは日本のオケの救世主だ!がんばれ!