エイリアス 1stシーズン

どうもお久しぶりでございます。
大学生って、というか特にウチの学部の特徴なんですが、ある時期にほとんどの授業で、レポート課題がどさっとでるわけです。しかも10000字とか、テーマがフリーとかってことを要求してきたりで、ちょうどそんな時期が先週から今週にかけてでした。今期は意図的に映像制作だとかそういう授業は取らなかったので、地味な作業の連続でしたが、まぁなんとかなりました。

しかし、そんな忙しい中で一つのドラマにはまってしまってたいへんでした。
それが「エイリアス」でした。

NHKで放映されてるころから気にはなっていたんですが、字幕派な私はあえて観ることを避けてきました。ずっと見たい見たいと思ってたんですが、TSUTAYAの半額の時期にちょうど忙しかったり、24を優先させちゃったりと見る機会がなく。。。

ようやく今回、TSUTAYAで1stシーズン全部半額やってるので課題で忙しいのにも1巻借りてきたら面白くて面白くて・・・。それで1stシーズンを今日全部見終わったんですが、デキは素晴らしいですね。ただ途中から話がソレ気味になったのが残念。何が素晴らしいかって映像でストーリーテリングをするという映像技術の中で最も基本的な技術がしっかりとしていたことですかね。いわゆるモンタージュとかの技術です。

基礎だからどの映画人も持っててあたりまえなんですけど、最近はほんとにみんなヘタで・・・。それだけに新鮮。しかも華麗に決まってたのがさらに素晴らしさを目立たせていました。印象に残ってるのは潜入シーン。潜入で誰かに見つかるんじゃねえかというサスペンスを生むシーンです。例えばあるホテルの一室に潜入するシーン。ほんと、何気ないカットのつなぎなんですが・・・

  1. 主人公がエレベータを降りて潜入先の部屋に入る。
  2. 部屋の中で目的のモノがあるかどうかを探す。
  3. ここでカットが変わってエレベータから出てくる屈強な男
  4. 部屋で探し続ける主人公
  5. ホテルの廊下を歩き続けるその男

たったこれだけのつなぎで、何のセリフもそこにはありません。例えば外にいる仲間から「誰かがそっちに向かった!」とかというセリフもなし。つまり何の言葉も出さない状況で主人公はその屈強な男に潜入がバレてしまうかもしれない→主人公、早く逃げて!!(志村後ろ!後ろ!と同じ)というサスペンスを生まなきゃいけないんですが、これをキメるためにはモンタージュが完全に決まっていなければならないわけです。それが完全に決まってました。

そして出色のデキは第1話。主人公の経歴だとか身の回りの状況だとか全ての基本設定をこの第1話で処理しなければならない重要な回なわけですが、この回の様々な情報のサバき方は本当にお見事。現在から始まっていったん過去に帰ったりと時間軸・空間軸が入り乱れる構成になってて、こういうのヘタくそがやるとぐちゃぐちゃになって空中分解してしまうのがオチなんですが、それが全て完全に決まってました。シーンの組み立てがお見事。一見関係ないつなぎに見えるんですが全てのシーンに伏線が張ってあってそれが最後に向けて一挙に収束していく様は見ていて感動すら覚えました。よくある手法と言われればそうなんですが、ここまで華麗に決まったのは最近見かけません。最近で思い当たるのは映像じゃありませんがダ・ヴィンチ・コードでしょうか。ダ・ヴィンチ・コードだけじゃなくダン・ブラウンの作品は構成が非常に巧いです。ダン・ブラウンにしろエイリアスにしろロジカルに考え抜いた構成です。カンで全てのシーンが有機的に結びつくはずはありません。ダン・ブラウンはプロットの段階で何度も推敲をするそうですが、それを読んで納得しました。それくらいしなきゃいい構成ってのは生まれないんだなと実感。

映像は24みたいな新世代の撮影法というよりは、90年代後半あたりのアクション映画の影響を色濃く受けてる気がします。マイケル・ベイっぽい映像って言えばわかる人はわかるでしょうか(あれほどぐりぐり動きませんが)。ステディカムでぐいぐい追い続ける映像です。24みたいな新鮮さはありませんが、これはこれで堅実な撮り方で、こういうタイプの映像好きな私としては満足。というか、私が、映画ファンには怒られるでしょうけど、マイケルベイ好きなだけですが。

ですがこのドラマ、本当に酷い終わり方をします。ええ。なんせ話の途中で次のシーズンにバトンタッチですから。こんなんX−FILES以来ですが、アメリカのドラマってウケがよければこんなんなんでしょうか、いつも。こういうやり方をしてバカな一般大衆から金を巻き上げるわけですね。あーそうですか、そうなんですか。バカですよねーこういう罠にひっかかるヤツって。








ちくしょーーーーシーズン2みてえええええええええ!!