「ティム・バートンのコープスブライド」を見る。

最近、The Contenderというアメリカのスポーツ番組の「テーマ曲」にはまってます。1分ほどのテーマ曲でハンス・ジマー作曲なんですけど、またまたいつも通りで、、、何だか最近はもうそれをわかった上で聞くようになりました。この人はもうこういう曲しか書けないんだな、と。そしてそれ以上にそれを聞いて喜んでいる自分がここにいるな、と。もうしょうがないから素直になって単純に喜ぶことにしましたよ。あーかっけえ!!

今日映画館に行ってきました。The promiseっていうホンコン?タイワン?な映画の予告やってました。なんかどっかで聞いたことあるなぁなんて予告見ながら思ってて、どうせ他の映画から取ってきてるんだろうと思いつつ見てたら、どうもハリウッドから持って来たにしては音が薄い。オリジナルなんだろうか、と思いつつ、作曲者のクレジット見たら。。。


クラウス・バデルトハンス・ジマーの弟子)


・・・・。そうですか。ハリウッド以外にも出だしましたか、あんたら。日本でもBlood+っていうTBSのアニメのテーマも書いてるし、言わずもがなスチームボーイも彼らだし。世界はハンス・ジマーに支配されるんでしょうか。こうなったらまじジェリー・ゴールドスミスに生き返って欲しい。ほんと。あんたがいないとやっぱ映画音楽業界はだめだよ。。。


ということで、その映画館に行ったのは、ティム・バートン久々のストップモーションアニメを見に行くため。そうコープスブライドを見に行ったのです。

個人的になぜかティム・バートンは食わず嫌いな感じで今までひとつも見たことなかった。シザーハンズもナイトメアも一切。なんでだろう。なんかあのダークなかんじは俺に合わないなんとでも思っていたんだろうか。とにかくいろいろいわれているティム・バートンに対するコメントによって先入観が自然とできてしまっていたのはたしか。こういうのはいけませんな。ということをほんと今日は強く思いました。それくらいよかった。

話としては単純なラブストーリー。単純というかあれは純粋というべきか。このありふれたストーリーをどうするか。今作はある意味見せ方勝負だったと言えるでしょう。それが成功してる。これがティム・バートン節というヤツか。。。初めてだけどなんとなくわかりました。

特筆すべきはミュージカルシーン。個人的なお気に入りは主人公・ビクターが死後の世界に入ってしまったときの死後の世界の住人たちによるミュージカル。すばらしい。歌から表現方法からすべてよかった。なんつーかもう忘れてしまったディズニー映画のミュージカルを見ているようでした。なんだか懐かしささえ覚えるようなシーンで、あったかくなりましたとさ。

ミュージカルといえば歌。これはティム・バートン映画には欠かせないダニー・エルフマンが息の合った仕事を見せてくれました。個人的にはダニー・エルフマンと言えばバットマンスパイダーマンだったりしてアメコミ&ダークなアクションスコアの人なわけなんですけど(たぶんこれファンに言ったら怒られる)、こんな歌が書ける人だとは、、、ごめんなさい、あなたのこと過小評価してました。中でも主役二人で歌うメインテーマは覚えやすい上に何回も出てきて見る者の心を捉えてたはず。特に二人でメインテーマをピアノで引き合って心を通わせるシーンにはまっじ感動しました。なんつーかダニー・エルフマンはバートンが求める、そして彼が作り出す世界というのを完全に理解していますね。なるほど、監督と作曲家の堅いキズナというのはこのようにして確固たる物になるのですね。スピルバーグとウィリアムズ、ゼメキスとシルベストリのように絶対他の作曲家に頼まないようなコンビってのはもう言葉なしにお互いの求めるもの、創り出せるものがわかってるんでしょう。すげー信頼関係だ、、、こういうパートナーがいれば仕事がしやすいでしょうなぁ。俺もこういう阿吽の呼吸で仕事ができる仲間がほしいっす。

と、話がずれたところでコープスブライド。こっから少しネタバレ。

不満というか細かいとこなんですけど、ビクターが指輪をエミリーに返せって言ったのは少し萎えた。エミリーが自ら返さなければ意味がないシーンでしょうあれは。あと、エミリーがもう少しかわいそうだったらなぁ、、、それだったらもっと感動できたと思う。そこらへんちょっとサラっとやりすぎてた感があった。

と言いつつ、あのキャラクターたちのなんとも言えない奇妙なデザインにも関わらず、だんだんと愛着がわくのはなぜだろう。つかかわいいと思ってる自分が最後にいた。なんなんだ。一見、気持ち悪いのにね。やっぱり見せ方がよかったのか。すっかり感情移入してたし、あの奇妙な人形たちに。これってすごいことだと思います。だって考えても見てくださいよ。フツー誰がブスな人間に愛着持ちますか?(極端)キャラ作りの巧さと見せ方の巧さなんだろうなぁ。。。と思った。

そして最後に一言。



スクラップス飼いてぇぇえええええ!!!!


いや、あれはしょうがないよ。かわいすぎる。


ティム・バートンのコープスブライド

映画:★★★☆☆
ダニー・エルフマン:★★★★☆
スクラップス:★★★★★
Over all:★★★☆☆