「閉ざされた森」を見る。

すげえ週末を過ごしてしまいました。詳細は省くとして、要は映画を4本を見られるような週末だったということです。で、トリがこれ。よりによってこれ。なんでこれなの。という声が聞こえてきそうですがごめんなさい。で、今までの長い導入も今日はネタがないのでカットカットカット。そうcutは過去だろうが過去分詞だろうが変化しません。それがどうした。それが答えだ。


ということで、「閉ざされた森」。原題は「BASIC」。これは人を殺してしまう人間の本性のことを指しているようですが、内容を考えると邦題の方が合っている。珍しくセンスフルな邦題ですね。こういう邦題ばっかりだといーんだけどなぁ、、、

内容はと言えば、ミリタリーサスペンス。軍事訓練に出たメンバーが行方不明に。そして、発見されたときには一人負傷、そしてもう二人は銃撃戦の最中であった。他のメンバーは依然行方不明。なぜメンバー同士で殺し合いをしなければならなかったのか。残りのメンバーの行方は・・・。

冒頭からいろいろなぞが用意されていて興味をそそられる展開。しかも黒澤明羅生門のように生存者2名の証言は食い違う。真実はいったいどこにあるのか。ぐいぐい引っ張る展開に息を飲む。。。があんまり飲まなかった。なぞはいろいろあるんだけれども、どうも引っ張る力が弱い。なんだろう。ジョン・マクティアナンの演出力不足なのか。展開がもっさりしているので緊張感が全くない。なのでなぞが判明したときのビックリ感がない。24だとか、あと初期のころのM・ナイト・シャマランだとかの方が巧い。

あと、こういう観客騙す系のサスペンスは細部にこだわって作っておかないと全部破綻してしまう。この映画の場合、ツメが甘い部分が散見されるので、終わった後に考えてみるといろいろおかしくなってくる。終わった瞬間だけ「やべー騙された。」とは思うんだけれど、エンドロールの間に「あれはやっぱり、、、ん?これは??」とかいろいろ考えちゃってやっぱだめ。3段階くらいオチがあるのはよかったんですけどね。ひたすら騙そう!!っていう努力は見えるんだけど、どうも見せ方で失敗している気がする。

騙される系の映画なら、スティングをオススメします。あれはすごい!最後まじやられたし。ミリタリーじゃないですけど、いいですこの映画は。名画です。つか、主役のレッドフォードより、ポール・ニューマンがかっこよすぎて最高。ああいう大人になりたい。主役完全に食ってる。

音楽はハンス・ジマー一門のクラウス・バデルト。相も変わらず印象に残らない音楽ですが、これもLOSTや宇宙戦争と同じように不安感を煽ることが第一なので、これでいいんでしょう。ただ、その割には緊張感とか演出できてなかったかなぁという気がします。特にオチがわかる瞬間とか。たとえば、登場人物がオチを皆まで語る前に、映像的に観客が把握する瞬間ってのがこの手の映画だと用意されているんですが、そこを盛り上げる演出をしていなかった。ジェリー・ゴールドスミスポール・バーホーベンの「氷の微笑」に音楽をつける時に、全てがわかる瞬間の音楽でショック音をつけるかどうかで監督と意見が対立し、監督版とゴールドスミス版の両ヴァージョンの音楽を作ったと後に語っています(結局、監督も音楽を聴いたらゴールドスミス版で納得し、公開時にはゴールドスミス版が採用された。)。それくらいにオチがわかる瞬間の演出は映像と同じくらいに音楽も大事。まぁマクティアナンは音楽に理解が浅い人なのでしょうがないっちゃあしょうがないんですが、、、

と言いつつもここまでソリッドなサスペンスは最近見ないのでいーんじゃないでしょうか。ヒマならおすすめ。今、TSUTAYAは半額ですから、それで借りるのならいいかんじ!


決して私はTSUTAYAの回し者ではありません。


閉ざされた森

映画:★★★☆☆
音楽:★★☆☆☆
ドンデン返し:★★★★☆
演出:★★★☆☆
邦題のセンス:★★★★★
Over All:★★★☆☆