ナルニア国物語〜第1章:ライオンと魔女  バックドラフト ブロークン・アロー HOT SHOTS!

dokodaka2006-01-02






目が覚めてみると、僕は人々の喧騒の中にいた。耳をこらしてみると周りの人々はしきりに「アケマシテオメデトウ」と何か呪術でも唱えるかのように叫んでいた。隣には僕の友達、そして目の前には花火。新年だった。僕はなんだかその空気の中にいることがうれしくなって、名前も何も知らない周りの人々に向かって「アケマシテオメデトウ」と声をかけていた。言葉を返してくれる人、笑ってくれる人、映画で言うとなんだか周囲の音が聞こえなくなってスローモーションのように僕の景色が流れている中に彼女はいた。彼女はなんだか僕の方を見ながら微笑みかけ、アケマシテオメデトウって言ったんだ。そうだ、君のために2006年を生きてみようじゃないか。僕は決心したんだ。

実はそんなことはどうでもよくって、正直君の顔はもう忘れたし、携帯電話にも何も残っていなかった。目の前にあるのはたった4枚の新しいCDで、僕はその音のどれもが新鮮で、決してCDは人ではないけれど、しかしこれこそが出会いなのだなぁと思ったのである。


心のそこから、あけましておめでとう。


ナルニア国物語〜第1章:ライオンと魔女
The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe

ロード・オブ・ザ・リング」、「ゲド戦記」と並び世界3大ファンタジーと称される「ナルニア国物語」をディズニーが映画化。ロード〜の影響が丸見えな今作に不安視する声はたくさんありますが、なんとかアメリカではそれなりの成績を収めている模様。個人的には監督が「シュレック」の監督であることも心配(実写やってない人だから)であったけれど、何よりも音楽が心配だった。

というのも音楽担当のハリー・グレッグソン・ウィリアムズは作風が安定しない人物だし、たしかにシュレックではすばらしいファンタジックスコアを聞かせたものの、やはりスパイ・ゲームだとかリプレイスメント・キラーという前科を持っている人間は最後まで信用できなかった。

そして、比較されることを避けられないであろうハワード・ショアの「ロード・オブ・ザ・リング」がそのデキと言えば、それはそれはすばらしくおそらく映画音楽史に残ってもおかしくないからである。

明らかにブが悪い。最初から期待してなかった。


ところが、いやすばらしい。よくやった!考えてみるとロード・オブ・ザ・リングには及んでいないものの、大健闘です。ハリー・グレッグソン・ウィリアムズの最高傑作ではないだろうかと思う。ロード・オブ・ザ・リングは3作合わせてのモチーフの計算も含めての結果なので、これと比べたらどうなんだろう難しいところだ。それは映画を見てから判断したい。

特筆すべきはライオンのテーマと思しきヒロイックなテーマ。彼の作品である「シンドバット」の匂いが少ししますがそれもご愛嬌。ナルニアのテーマも非常に覚えやすく何回も出てくるので確実に印象に残る。

また、支障(師匠の変換ミスだけれどもこの意味の方が正解だと個人的には思うのでこのままで。)であるハンス・ジマーの影響抜け気味で、むしろジマーよりもオーケストラの醍醐味を感じられるスコアで好印象。

うんうんいいスコアだ。やればできんじゃねえか!!普段からこれくらいちゃんとやっとけボケ!!!


ナルニア国物語〜第1章:ライオンと魔女
http://www.filmtracks.com/titles/chronicles_narnia.html(試聴可)
音楽:★★★★☆
ハンス・ジマー度:★☆☆☆☆
Over all:★★★★☆



バックドラフト
バックドラフト オリジナル・サウンドトラック
鹿賀丈史が歩いてきたぞお!!!おーっとなんだか周りを見回しながらも少しずつゆっくりとセンターに向かって歩いている!!と、ここで・・・止まった、止まったぞ!!!そしておもむろに、、、パプリカだ!パプリカを手に取った!!!さぁそのパプリカをどうするというんでありましょうか!?・・・おーっと、口に運びましたぁあああああ。かじったぁあああああああ。パリっという音が会場中に響き渡ったぞおおお!!


わかる方、いるかなぁ。いや、10代後半以上なら知ってるはず。伝説的料理番組、「料理の鉄人」。それの有名なオープニングシーンを実況風に書いてみただけですが、いやぁ懐かしい。そこで使われていた曲、覚えていますか?

そう、それがこのバックドラフトのテーマ。ハンス・ジマーの90年代初頭の大傑作。これで映画音楽に引き釣りこまれた人は数多く。

メインテーマがかっこよすぎるのでそれだけでお腹いっぱい。これは燃えるよ。火事の映画なのに。消防士のカッコよさが2倍も3倍にも輝かせる名スコアだ。レンタルでTSUTAYAに置いてあってもおかしくないくらいにポピュラーのでとりあえず借りることをオススメしときます。

落ち込んでいるときとかこれ聞くだけで元気になれる気がする。心のそこから燃えてくる曲だ。

映画においてもすばらしく機能していて、ハンス・ジマーの弱点であるところの音楽の鳴らしすぎで映画をぶち壊すこともなく、またモチーフの数も少ないので覚えやすい。すばらしい。

バックドラフト

音楽:★★★★★
ハンス・ジマー度:★★★★☆
Over all:★★★★★


他にもあるんだけど、、、、レヴューめんどくさくなった。また次の機会に。