トリノオリンピック・閉会式

dokodaka2006-03-04


何日間かにわたって行われたトリノオリンピック。ついに終了。

僕の場合はこんなことはどうでもよくって、閉会式が行われることくらいしか、開会式が終わってしまうと、興味がなくなってしまう。だからして、イナバウアーなんて言葉は48手のうちのどれなんだろうなんて妄想を繰り広げていたくらいで、まぁずいぶんみなさんブログに取り上げちゃって、破廉恥な世の中なのね!!!ぷんぷん!!って思ってました。

ということで、期待の閉会式。開会式と同じくリック・バーチなのかと思いきや、違う人が演出らしくてガン萎え。でもでも内容がよければリック・バーチじゃなくてもぜんぜんいいので期待して見てました。


オープニングの布を使った全体演出はいいかんじだけど、それ以外がグダグダ。何を表現したいのかもわからんし、何をやりたいのかも不明。本業は映像監督らしいけど、はっきり言うと、映像監督なんかにこんな難しい舞台を扱えるはずがない。舞台監督が映画を撮れないようにね。

オリンピックの開会式・閉会式が行われる会場は、毎度、演出が非常に難しい舞台だ。観衆の目が360度あることからして難しいわけで、要はどこを正面にしてショーを行えばいいのかがはっきりしないからだ。その意味ではディズニーシーのハーバー(真ん中の海)で行われるショーも同様に難しく、しかしブラヴィッシーモ!なんかはなかなか空間を巧く使った演出だったわけだ。

また、観客席とステージが異様に離れてしまっていることも難しくさせている要因で、例えば閉会式で行われていたバラを兵隊の胸ポケットに入れるという演出だけど、観客席にいる人にとっては何をやっているんだかわからない演出だっただろう。これなんかはショーでは絶対にやってはいけないことであって、さすが映像監督だなぁと皮肉の一つも言いたくなるのだ。

閉会式の肝と言えば、聖火を消すシーンと言えるけど、今回は聖火を消す瞬間をすんごい引っ張ってた。もうここでいいよ。眠いよパトラッシュ。と言いたいくらいに引っ張ってたわけでさぞ凄い演出が待ち受けているのだろうなぁと僕の期待、というか全世界の人々の期待は高まってたはずだけど、なんだあの演出。最後に出てきた花嫁ちっくな衣装を着た人が息を吹きかけたことによって火が消えたらしいけど、だからそんなん見えないよバカ。映像でさえ確認できなかったよ。

あっさり目の演出で済ませたいのであれば、引っ張るのは厳禁。何かしら観客に予感を与えるというのは観客に期待させることと同義なわけで、それっていうのは引っ張れば引っ張るほどあがってしまう。なんつーんだろ、一発芸を振られたときに、瞬間で返さないと引っ張れば引っ張るほど、面白いことやんなきゃこの場は逃れらんねーよ的なオーラがどんどん強くなってくるのと同じこと。

花火が上がるタイミングとかもなんらショーの流れにあってないあげ方でげんなりする。テンポずらすことがカッコイイとか芸術的とか思ってらっしゃるんでしょうけど、アンチエンターテイメントが芸術なわけじゃねーだろ。そこを勘違いするバカが多いこと多いこと。特にヨーロッパと日本に多い気がするのは気のせいですかね。観客にこびるのをダサいと思ってたりするやつは自分を恥じてほしいですな。

これでアテネの開会式みたいに独創性があれば(あれはあれで救いようがないショーだったが)まだ許せるんだけれど、今回の閉会式は独創性のカケラもないショーだった。こんなんシルクで前からやってるよ!!!みたいなヤツばっかり。てか開会式でもやったでしょ、それ。やっぱり映像監督にこんな難しい舞台をいきなり任せちゃうのは間違いだったようですな。

一つだけ救いがあるとすれば場違いにあげられる花火の上げ方で、これだけはやはりいつものあの人のすばらしい技を堪能することが出来た。ほんと、この才能がもったいない使われ方してるよ。あーMOTTAINAI。


ということで、閉会式。最悪。


トリノオリンピック・閉会式』
ショー:★☆☆☆☆
独創性:☆☆☆☆☆
聖火:☆☆☆☆☆
演出:☆☆☆☆☆
花火:★★★★☆
Over all:★☆☆☆☆