あらためましてのバックドラフト
たしか新年あけたくらいに書いた気がするこのバックドラフトのレヴュー。あれから、2回目のユニバーサルスタジオに行ってバックドラフトを見たり、自分のショーを作ったりといろいろ通してもう一度語るべき何かがあると確信したので、レヴューをこうして書いている。
サントラのレヴューなので、少し余談になってしまうかもしれないが、ユニバーサルスタジオのバックドラフトはショーなどライブエンターテイメントに関わる全ての人々が見なければならない重要なショーの一つであると僕は考えている。ショーと書いてしまったが、バックドラフトはショーではなく、アトラクションである。しかしそれに留まらないくらいの高水準な作品であるのではないかと僕は思うのだ。(キューラインやプレショーも含めるとクソだけど。)
バックドラフトの最も優れている点は、間の取り方である。風見しんごがよくネタにする話で、「間、とはハトが顔を動かしたり動かさなかったりのあのタイミングである、と師匠(欽ちゃん)が言っていた。」なんて話がありますが、その間のこと。
ライブにしろ映像にしろ、何かしらの感動を生むためには、何かの要素をタイミングよく配置していかなければならないわけで、どんだけ金をかけたものをドカーンとやろうが、タイミングを誤ると全く効果を発揮しないまま終わってしまうものだ。
例えば、ブラヴィッシーモ!における、ラストシーンの火の噴出は今まで2回ほど変化したことがあったが、ver2が最悪であった。というのも、最後の追い込みの花火の光量に火の光量が負けているからである。つまり、火が出たところで誰も驚かない状況が生まれていたわけだ。そういう意味では、現在のヴァージョンは完全に花火の光が消えた後に火が噴出するので、最大に効果を発揮していると言えるだろう。
話を戻してバックドラフトだけど、バックドラフトはそうした間の取り方がカンペキだ。各特殊効果が最も効果を発揮するタイミングで出るようになっている。加えて、最後の畳み掛けるような怒涛の特殊効果の連続コンボは何度見てもすばらしい。
・・・と言いつつも、このアトラクション出たばっかりの時にもう一度このアトラクションに入りたいかと言えば、まったくもって入りたくない。これがユニバーサルの痛いとこだな。
と話がそれまくったけど、バックドラフトのメインテーマは何度聞いても胸が熱くなる。先のエントリでも書いた自分のショーに、バックドラフトのエンドロール用の曲を使用したんだけど、これからの旅立ちを迎える新1年生には最適のEXIT MUSICであったと言えるだろう。というか、出演者と客が戯れながら終わるような流れ解散的なエンディングにしたのだけど、巧く余韻を残すには最適の曲だった。
バックドラフトはほとんどシンセを使わずに、フルオーケストラで演奏される、ハンス・ジマーのその後の経歴を考えると異色の曲と言えるかもしれない。
ハンス・ジマーは今でこそ落ち着いたものの、バックドラフト以降は爆発サウンド+シンセサウンドで一本調子な感じになってしまった。(たしかにピース・メーカーのような傑作もそのおかげで生まれたのだけど)バックドラフトで多くの人はハンス・ジマーの虜になってしまっただろうけど、そうした人たちはおそらくそれ以降のハンス・ジマー路線を嘆いたんじゃなかろうか。
バックドラフトの何よりすばらしいのは、やはりエンドロールのときのメインテーマのリプライズだ。あのアレンジは何度聞いても鳥肌が立つし、ハンス・ジマーの底力を感じてしまう。
ただ、料理の鉄人はちょっとうらみたい。マシになったものの、一時期高級料理のテーマのごとくバックドラフトの曲が使われまくっていて、みんなのイメージがそれになってしまったのはとても残念なことだ。僕も今回使うにあたって何人ものインタビュー調査を行ったものだった。
なんか、どんなに落ち込んでるときでもこの曲聴くと、すげー元気が出てくる。
こんなに音楽がすばらしいバックドラフト。映画も面白いので見てない人は見てみることをオススメしますよ。
話は戻ってユニバーサルスタジオのバックドラフト。
なんで音楽がハムナプトラなの・・・。