車の中での出来事

ワーグナー:名演集(2)

最近、クラシックが大好きです。なんでかっつーと、ひっさびさに第9を聴いたから、なんだろうけど。もちろんベートーヴェンの。

中学のころだったか、ベートーヴェンの第9を聴いた僕はとっても衝撃を受けた記憶がある。というのも、僕がクラシックに対して持っていた退屈でマジメな空気をふっとばしてくれるほどにすばらしかったからだ。

いろいろな第9を聴いたけど、僕が一番好きなのはあのカラヤンが振った盤で、なんでかっていうと最初に聞いたヤツだからとかいろいろ理由はあるんだけど、特に最後のタメた後のスピード感と解放感は何にも変えがたいものがあるからだ。すごいよ、あれは。僕の夢は一回でもいいからこの第9を使ってショーを作ることだ。

さて、そんなかんじで最近どっぷりなクラシックなんだけど、以前はまったヴァグナーのタンホイザーがPCにあったので、プレーヤーに落としてみた。そして今日はたまたま休みにも関わらず学校に行かなければならない用事があって、午後から電車使って行くのもダルいんで、車で行くことに。

車の中では一人ヒマなので、必ず音楽を持っていくことにしている。

そして、帰り、夜の首都高。車はまばら。雨もポツポツ。スピーカーからはタンホイザー序曲の音色が・・・。


や   ば   い。
まじやばかった。気持ちよすぎる。夜の首都高にここまでタンホイザーが合うなんて思ってもみなかったけど、このマッチングはヤバすぎる。優雅で少しの攻撃性というか強さを隠し持つタンホイザー序曲。なんだか自分が万能の神にでもなったかのような気分になってしまった。

ヴァグナーの楽曲はたしかヒトラーの宣伝に使われていたはずだけど、宣伝用に使った人の気持ちもわかるし、それのせいで陶酔してしまった人の気持ちもわかる。それくらいにタンホイザーはパワーを持っている作品なんだろうと思う。

こんなにも音楽に気分を高揚させられるなんて、現在の曲でなんか1度もない。クラシックを超える作品はもう現代には現れないんだろうか。