ニンテンドーDSは破壊的イノベーションなのか。

最近の任天堂vsSCEは非常に面白くて、僕としては固唾を呑んで見守らずにはいられなくて、この両者の大きな違いは、最近思ったんだけど、破壊的イノベーションと持続的イノベーションの争いと言えなくもないような気がして。

WiiやらニンテンドーDSはスペック的にはPS3PSPと比べてしまうと、今までのゲーム機争いではメインであったCPUやら描画能力やらの観点で言えば、明らかに劣っていて、今までの常識から言えばWiiニンテンドーDSは勝者になるはずもなかった。10年ほど前を思い出すと、任天堂はわざわざ自ハードにニンテンドー“64”と名づけて、うちのは64ビットだから他と比べて高性能だよ!!なんて言っていたんだから、当時のゲーム機はスペック争いという一面も持っていたと言えるのかもしれない。(PS・SS=セガサターンは32ビットだった。)

このように、これまでスペックの“持続的な”成長が重要視されてきたゲーム機市場ではあったんだけど、スペックの“持続的な”発展から逸脱したニンテンドーDSは、破壊的イノベーションの側面を持っていると言えるのではないかなーなんてね。

破壊的イノベーションは顧客である僕達にとってみれば新しい価値が生まれるということで、嬉しいことではあるんだけど、ちょっと喜んでばかりもいられないんじゃないかと、少し不安になってきた。

というのも、日本のコンピューター産業の発展は少なからずゲーム機の発展によって支えられてきた面があると思うから、だ。高度なコンピュータ機器にのってるCPUってほとんど外国製のはずで、唯一ゲーム機に日本製が乗っている?はず、だった気がする。

で、破壊的イノベーションはクリステンセンによれば、持続的イノベーションを駆逐する可能性があるので、あの理論にあてはめて言えばPS3PSPWiiニンテンドーDSに負けるはずだ。PS3が負けるというのは、ゲーム機市場が持続的イノベーションに消極的になるということを示しているわけだから、つまり、日本のコンピューター産業は少なからず影響を受けるのではないか、というロジック。

ほとんどが僕の妄想の範囲内の話なのでこの話がどれだけ現実的なのかわからないけど、ない話じゃないんじゃないかな、と最近思ってる。

しかもこのタイミングでドラクエⅨでしょ?もうあれだよね。勝負決まった感じ。だからちょっと心配になってこんなエントリを書いてしまったとさ。とりあえず、ドラクエⅨ楽しみ。



(さらに言えば、PS3が普及するにはFFにがんばってもらわなければならなくて、つまりドラクエとFFの勝負の行方にPS3ニンテンドーDSの勝敗がかかっているとも言えるんだけど、そうだとすれば、日本のコンピューター産業の未来はFFに全てかかっているという妄想もできるよね。あと、スクエニとしては今までFFのために投資してきたCG設備のことを考えれば破壊的イノベーションは好ましくないはず。つまりスクエニとして戦略的な判断を下すのであればドラクエをあえてPS3で出すか、もしくは最低でもPS2で出すべきだった。だって、ドラクエが出ることによって破壊的イノベーションが加速してしまった場合、今まで投資してきたCG設備を生かす場がなくなってしまうから。そこらへんがスクエニの甘いところで、合併したと言えど旧スクウェアと旧エニックスは分かれているのかな、とも思わせてしまう。なんだろう、事業として全社的判断を下していないのかな、スクエニって。コンサルのみなさん、出番ですよ。)