ぱっくつあーの儲け方。

アメリカ旅行に行ってきました。
アメリカに行くにあたって、パックツアーというものをはじめて利用したのですが、
使いようによってはなかなかよいね、パックツアーも。

パックツアーの何がいいかというと、空港からホテルまでバスで送ってくれること、
それからチェックインやら乗り継ぎやらの手続きを全部やってくれる一方で、
現地での予定は自由に組めることじゃないですかね。
海外で車乗り回せるくらいに慣れている人ならうざいだけなんでしょうけど、
僕は海外で車運転したことない上、
今回行ったLAは公共交通機関がそこまで充実していないこともあり、
非常にたすかりました。

海外旅行に慣れてない人なんかはホテル・空港のチェックインをやってくれると、
かなり助かるんじゃないのかな。

ただ、この海外旅行に慣れてない人、このタイプがどうやらパックツアーの鴨になるようで。
(鴨というと言い方は悪いですが・・・)

彼らはホテルに行くバスの中で、現地情報を詳細に話します。
それはそれで助かるのだけど、問題は治安のお話。
アメリカ旅行に行く人のほとんどが気にしているはずなのは治安のお話のはずで、
特に初アメリカの人は不安で不安でしょうがないはず。
彼らはそこを集中的についてくる。

僕が乗ったシャトルの添乗員はとても具体的な被害情報を話しました。
日本人旅行者が顔が変形するまで殴られただの、
追いはぎにあっただの、車椅子で日本に帰国しただの。
さらにはLAのバスは使うのが難しいだの、タクシーに乗ると間違いなくボラれるだの・・・。

で、当然乗ってる人たちは不安になるわけで、解決策を求める。そこで彼らはこういいます。
「うちのツアーを使えば送迎付きだしおいしいとこ回れるので楽しいですよーー。」
そして、シャトルが一つ目のホテルで停止すると、現地社員が続々とバスの中に乱入
その場で「質問を受け付ける」という名目の下、ツアーの契約をとっていく。。
ここで乗客はそれを無視してバスを降りることはできず、
その時間、申し込む意思がなかったとしても
質問タイム終了するまでバスの中にいることを求められる。
ここでうまいなぁと思ったのことが3点あって、それは、
1.残席わずかをアピールする。
2.バスという閉鎖空間を利用している。
3.同じ空間で申し込みをさせるので、みんなだまされてのせられてその場で申し込んでいる絵がほかの乗客にも見える。
残席わずかをアピールすれば、早く申しこまなきゃ、という気分になる。
閉鎖空間にいるので「今この空間以外に申し込むタイミングがない」と強迫観念にかられる。
さらに、みんながその場で申し込んでいるので、
「みんなやってるなら」という安心感と日本人的な協調意識と
1の残席わずかアピールから早く申し込まなきゃほんとに席がなくなる!!という気分にさせられる。

正直、「不安にさせる→閉鎖空間でセールス」なんて
マルチ商法と何が違うんだと言いたくもなるけど、
きっとこれで彼らは利潤を得ているのだろうな、と思った。
安すぎるツアー料金だとおそらく彼らにとってはトントンくらいで、
ほかのオプションツアーをたくさん利用してもらうことで儲けている、というかんじなのでしょう。
それはきっとプリンター本体、シェーバー本体、
ゲーム機本体で利潤を得ようとしないビジネスモデルと似たようなものなのでしょうな。
(ただこっちが問題なのはその売り方なんだけど)

で、僕らはどうしたかと言うと、何も申し込みませんでした。
当たり前じゃないですか、怪しすぎて利用する気もうせますよ、こんな売り方されてしまうと。

結果から言えば、LAのバスはたしかに利用しづらいけど、
周囲に気を配りながら乗っていれば初めてでも全く問題なく、
むしろ交差する通りの名前がバス停の名前になっているので、
地図さえあればロンドンのバスよりも楽。
ロンドンもLAもアナウンスはありませんが、LAは交差する道で全てが分かるようになっているので、
くねくね走るロンドンと比べれば圧倒的に乗りやすい。
しかもバスによっては現在走っている道路をリアルタイムで表示してくれるので、
アナウンスがなくても問題がない。
治安も陽が出ている間に怖い感じがしたことは一回もなかったので、
普通に行動する限りは問題なし。
タクシーは日本人がやっている会社があったのでそこを利用。イエローキャブ乗るより安かったりしてこれもまた問題なし。

ということで脅かされ損というか、とにかくポカーンなパックツアーでした。
でもそれを除けばひじょーに快適でした。
まぁ、僕らが脅威に気づいていなかった可能性もあるんだけどね!!